ヒートペンとおもちゃの日常

ヒートペンでの作品の記録やおもちゃの記録、情報

PS、KPS等、ガンプラ、スーパーミニプラ、MG、HG、HGUCシリーズ等に使われるバンダイの新素材KPS.各種樹脂について私のヒートペン樹脂溶解研究の私見、基本的な特性などについて語ります。


皆さんこんにちはこんばんはおはようございます!
いるかうさぎです🐰



私は今まで薬剤や火や熱を使い今まで様々な樹脂を大量に溶かしてきました。

今回はブログのコメントで質問頂いたKPS樹脂を中心にPS樹脂についての基本的な特徴、臭い、毒性等、独自の研究結果、私見を書いていこうかと思います。

製作などの参考になれば非常に嬉しいです。

少し長くなりますがお付き合い下さい。



PS(ポリスチレン)樹脂

見た目には艶があります。

ガンプラ問わずプラモデルを中心に様々なおもちゃ、食器、家具等に使われている安全性の高い素材です。

タミヤセメント等の接着剤で溶かしてくっつけることが可能です。

体感数種類あり、安いものほど混ぜものが少ないのか脆く、溶けやすいです。

純度が高いと300度を超えるとバシャバシャなくらい溶けます。

ヒートペンで溶かしてもほとんど臭いはありません。



KPS(強化ポリスチレン)

表記はPSなので見極める必要があります。

見た目の特徴はつや消し。


バンダイがABSは塗装すると割れるという意見から開発したらしいです。(写真はほとんどKPSのグランザウラー)

ガンプラ等の関節やスーパーミニプラの装甲等に使われている摩擦に強く、塗装も出来て、タミヤセメント等でも溶着できる万能な新素材です。


簡単に折り曲げてねばりの実験してみます。


上からKPS、PS、ウェーブのねばりのある謎PSになります。


KPSは180度曲げても捻っても折れません。PSは早い段階で折れました。謎PSは180度近く行きましたがそこから少し力を入れると折れました。

このようにとんでもない粘りがある樹脂でアンテナ等に使えば落ちても変形こそするものの折れないメリットがあると思います。


個人的に摩擦最強だと思っているポリキャップ(PE、ポリエチレン)は特殊な薬剤を使わないと塗装出来ない、接着が出来ない、形が限定されることから最近バンダイはKPSをこだわって使っています。

HGのガンダムAGEシリーズ位まではバンダイは頑張ってポリキャップを関節に仕込ませる為のパーツの形を変えて作ったりポリキャップの形自体を小さく仕込めるように変えたり進化していましたがKPSの登場により必要なくなり工夫の進化が完全に止まりました。

完璧で万能な素材に思えますが欠点はかなり多いです。


まず変形しやすく特にバンダイは最近大型プラモデルの関節に使ったりするのですがABSの強力な摩擦力、耐久力には遠く及ばず経年などで変形してしまい自立不能なほどゆるゆるになってしまいます。


初期スーパーミニプラでは装甲関節全てKPSなどでしたがゆるゆるですぐに自立できなくなっていました。
さすがにまずいと思ったのか近年のスーパーミニプラ コンバトラーくらいから装甲がKPSとPSで関節がABSという理想的な複合素材を使ったモデルも存在します。

次に傷がかなり付きやすいです。

硬いものにぶつけたり爪で引っ掻いたりしただけですぐに傷がつき、白化したりします。

ヤスリがけすると毛羽立ちます。

次に粘りがあり過ぎて柔らかさが摩擦力に負けて関節がねじ切れることが多々あります。


さらにヒートペン等で溶かした際、強力な毒ガスを発生します。

頭痛などしてかなり危険ですので溶かす場合は換気をしっかりしましょう。



番外

ウェーブのイクスクレア
デザインはめちゃくちゃかっこいいのですが中国製でバンダイのKPSを真似たような柔らかめの品質の良くない素材で出来ています。

個人的に強化ポリスチレンを使っていると思われる品質が良い順
バンダイの最近のもの(日本製)→スーパーミニプラ(中国製)→MODEROID(中国製)→イクスクレアのPS(中国製)

最後に

長々とまとまりのない文章になってしまいましたがKPSはナイフでの切削性に優れ、かなり作業しやすい素材なので使い分ければとても素晴らしい改造材料になります。


これからも進化を続けるプラモデル素材を注目し研究していきたいと思っています。